「アホかおどれ...無理だって。どう足掻いたってお前もここで死ぬ。調子乗らないで、まだ家にいた方が生きてる時間は少しだが楽しめたのにな。残念だったなぁ。」
竜は顎で後ろの男達に合図を送ると、二人の男がニヤニヤしながら静華に近づいて行くが、静華は逃げるわけでもなく、何度も頭を床に着けて頼んだ。
誰がどう見ても通じる可能性はゼロ、静華のやっている行為は自殺行為だった。
「....ぷっ!ぷははははははは!!」
依奈は静華を小馬鹿にするように笑った。全員の目線が依奈に注目し、静華に近付いていた二人の男も足が自然に止まった。静華はそれでも頭を下げたままだった。
「静華って本当に面白いね。鳥が餌のために罠に引っかかるみたいな感じ。私を助けるために来たと思うけど、はっきり言って見え見えだから。さっきの嘘をこれで帳消しにしたいとか思ってるんでしょ?
言っとくけど、もう静華は友達としては見てない。私に嘘をついた時点で私の中じゃあんたはただの他人。もう喋りたくとも無かったのに。」
依奈の口からボロボロと暴言が零れていく。だが、静華は変わらず土下座のポーズをしている。
「ってかさっさと消えてくれる?早く帰って残り少ない時間でおばあちゃんの肩叩きでもしてて。私はもう死にたいの。あんたと同じ所で死ぬなんて吐き気がする。
気持ち悪いレズ女の顔なんて見たくもない。」



