静華は相変わらずの態度で話すと、流石に依奈の事もあり疲れてしまったのか、竜はだるそうな表情をしていた。
「あぁ....そう....んで?お前は何しに来たの?」
「話が早くて助かるわ。依奈を解放して。依奈に危害を加えるのは辞めて欲しい。依奈は享吾君や清都君、来希君に危害を加えていないし逆に加えられていた。」
「あっそ...で?お前は俺達にどんなメリットをくれるんだ?まさか、何も無しってことではないだろ?」
静華は腕組みをゆっくり離すと、膝を床につき、額を床に擦り付けた。
竜含め、その他の奴らは黙って見届けていた。
「依奈の変わりに私を好きにして。依奈は本当に無実なの。依奈には....もっと多くの時間を過ごして欲しい。依奈の発言、私の発言は謝る。だから....」
数秒の沈黙が流れた。そして、その沈黙が破られた時は何故か笑い声が漏れていた。ひとつの笑い声が膨れ上がり、倉庫内にいた暴走族の全員の大爆笑が響き渡る。
「はははは!こりゃあ傑作だ!自分を犠牲にするとか感動することすんじゃねぇか!
でもな?俺の怒りはそんなんじゃ収まらないし、お前も標的だ。お前の用件なんぞ飲めるか馬鹿。」
「っ!お金も払う!一生かかってでも払い続けるから!」



