そんなのが揃いも揃って女の子一人を殴って見世物にして恥ずかしくないの?...低脳だからそんな事まで意識がいかないか....」
依奈はため息混じりにそう呟く。この発言には周りの不良達も苛立ちを隠せず、倉庫内は殺気に溢れていた。
無論、美苗も竜も怒っていた。だが、二人は頭に血が登りすぎて一周回って冷静に怒っていた。
「...本当に....ムカつく....」
「もう....殺すかこのアマ。これ以上は時間の無駄だ。最高のショーを精々楽しめよ。」
「あ、待って竜。私いい案思いついたの。このクソ女をさぁ〜、ヤク中にして〜んで薬を手の届かないところに置いて放置!私達の要求に答えれば答えるほど、薬との距離が縮まるってシステム!最後の最後に死にながらでもこいつ薬を使うよ!マジ面白くない!?私って天才!」
「...お前って本当に餓鬼みたいな発想思い付くよな....まぁ、たまにはそれに付き合ってやるよ。
おい!まだ江木さんからの報酬分の覚せい剤あるよな!?」
竜は後ろの集団に呼びかけると、一人が前に出てきて竜に注射器を渡した。透明な液体の入った注射器。依奈はそれをただじっと見つめていた。
「良かったな...死ぬ前に天国を味わえるぜ?まぁその分地獄見てもらうが....いいよなぁ?あんな態度とれたんだから、こんぐらいのことは予想通りだよなぁ?」



