「なに舐めた態度とってんだ?...享吾はこれから変わっていくやつだった。なのにてめぇのせいで全てが台無しだ!あいつがここまで来るのにどんだけ頑張ったてめぇに想像できるか!?」
「....そんなの章ちゃんだって一緒じゃん...章ちゃんは弱い自分を変えようとして必死に生きてたのに....あんたらの自己中王子様のせいで章ちゃんは死んじゃった。」
「てめぇ...自己中王子様って誰の事言ってんだ?もういっぺん言ってみろや。ただじゃ」
「享吾だよ。逆に享吾以外にいると思ってんの?あいつの自己満足の為だけに章ちゃんは苦しんだ。本当にこういう連中って低脳だよね。」
竜は拳を作って、依奈を殴る。竜の拳は流石に威力があり、依奈は意識がぼやけた。だが、依奈は止まらない。止まるつもりはなかった。
どうせ....どうせここで死ぬなら...最後にあいつらに....一泡ふかせてやりたい...
依奈は口の中に溜まった唾液と血を、一歩距離を置いて見ていた美苗に吐き捨てた。
「キャッ!てめぇ何すんだ!汚ぇだろうが!」
「あんたも低脳だよ美苗。大切な人を奪われたって言ったって最初はあんたらが仕掛けたこと....あんたらは自分からやり始めてやり返されたらなんで怒れるの?
あんたらが何もしなかったら誰も苦しまなかった。
やるけどやられるのは嫌だ。典型的な弱者の言い分だよね。



