「カラオケ終わりに清都と来希に鉢合わせるように仕組んだのも私。あ、ちなみにあの調子乗った女共はボコしといたよ。感謝してね。
それに、東崖山のやつも私の仕組み。享吾はあんたらが犯人って分かってたみたいで、殺される前に殺るって言うから協力してあげたの。
一体どんな方法で私を気絶させて、享吾を殺したのかは知らないけど、絶対に許すつもりないから。」


「だってそれは章」


「だから!うるせぇって言ってるのが分からないの!?」


美苗は拳で依奈の頬を殴った。蹴られたのと同じ場所を殴られ、依奈の頬には激痛が走った。
痛みに悶絶していると、美苗は依奈に顔を近付けて話し掛けた。


「犯人は章太ってのは知ってる。あんたには何にも罪はない。だけど、章太は私の大切な人を奪った。じゃあ、仕返しする権利はあるでしょ?
それに私には無敵のお守りがある。これで解決だね。」


美苗は依奈の頭を撫でて煽ってくる。前の美苗の印象では有り得なかった行為、依奈は人そのものが怖くなってきた。
誰も信じられなくなりそうだった。現に静華も依奈に対して嘘をついていた。

依奈は心が枯れていき、段々目からは色を失っていった。


「おい。何ボソボソ話してんだ。」