チカチカする光が目にささった。意識が少しづつ戻ってくると音も聞こえてくる。大勢の人の話声、まるでどこかの宴会場のよう。
後頭部が未だにズキズキと痛み、必死に意識が消える前の記憶を探る。
依奈は意識が完全に戻っていないまま、立ち上がろうとすると、何かに引っかかり立ち上がれなかった。腕を動かそうとするとジャラジャラと鎖がぶつかり合うような音が聞こえる。
意識が回復し、視界がハッキリと見えてくると、依奈がいたのは倉庫内。だが、意識を失う前とは違い眩しい光が暗闇を消していた。
そして人。それも大勢。だが、どれかしくも不良のようなガラの悪い男ばかり。パッと見でも二十はいた。
依奈はその光景に戸惑い、逃げようとするが腕を後ろの柱に縛られ身動きが取れない。
「え?え?何これ?どういうこと?」
依奈が混乱していると、一人の男が依奈が目覚めたのに気が付いて、後ろでザワついている人達に大声で呼び掛けた。
そうすると、ザワつきはすぐに治まり、全員が依奈に注目した。
「え?え?な、なんなんですか!あなた達誰ですか!?」
そう呼び掛けるが誰も答えない。すると、奥の方からガタイのいい男が依奈の目の前の椅子に座った。明らかに他の男達とは違う雰囲気だった。



