「うん、静華だよ。どうしたんだろ....裕子、行こ。」


依奈と裕子は静華の方へ駆け寄ると、静華は暗い顔をして出迎えた。
前に持ってる黒いバックを両手でぎゅっとしていて、何やら良い雰囲気とは思えなかった。


「...美苗は?いないの?」


「あっ、うん。体調不良で....それよりも静華、どうしたの?」


静華は涙を浮かべ、唇を噛んだ。自分勝手でプライドが高そうだった静華のまさかの表情で二人共固まった。静華は長い髪を荒らげながら、深く頭を下げた。


「昨日のこと!本当にごめんなさい...私がいながら....あんな結末を...」


「し、静華!?や、やめてよ!静華のせいじゃないよ!頭上げてよ!」


「いいえ!私のせいよ!彼がお守りを置いていることにいち早く気付けなかった私が悪いの!ごめんなさい...」


「それだったら私だってそうじゃん!私だって、もっと早く追い付けてたら....」


「そ、そうですよ!私だって、気が付いていたのに、忠告出来なかったです...悪いのは清水さんじゃないです!頭を上げてください。」


静華はこぼれる涙を腕で自前のハンカチで拭き取りながら、顔を上げた。そして依奈と裕子の顔を見ると、また涙を溢れさせた。


「...それと....今回の章太君の件...私は身を引かせて貰いたいの...」


「え?」