石階段半分の付近で清都は叫びだし、母親を突き飛ばして反対方向へと逃げていった。
依奈達も清都の兄もそれを追ったが、電車や信号、迷路のような住宅街のおかけで見失ってしまった。
血痕を追っていたがそれも途中からは消えてしまっていた。

そして朝方、清都の死体と行方不明になっていた維新の死体が発見されていた。場所は章太をいじめていたとする橋の下の更地。

お昼頃、依奈達は警察署へ呼び出され、事情聴取を行われた。当然アリバイは認められた。

清都の母親は清都から目を少し逸らしたら、兄は出遅れた理由で章太を見ることは無く、清都の件は事故で治まるはずだが、酷い拷問の跡、維新と同じ場所での死体のせいで他殺で捜査されている。

そして事情聴取を終えると、クラスメイト全員で章太の葬式へ来たという状況だった。


最前列まで来て、依奈は焼香をする。何度か葬式の場は経験がある依奈だったが、今回に限り手が重かった。そして焼香の香りもキツく感じる。まるで、「お前のしたことはこれ程重いんだぞ」と言われているような感じがしてならない。

涙を浮かべ、声を殺しながら依奈は会場から出た。


外へ出ると、終わって待機しているクラスメイトが近くに群がっていた。
そこで裕子は依奈の状況に気が付き、依奈の手を引っ張って群れから少し遠ざけた。