「僕が...."怨返し"...するように...なってから...喋りやすくなって...きてる....痛みもひいて...気分も良くなって...天に昇りそう...な気分....

正直...寺に入れなくて....焦ったけど...良かったよ...本当に....良かった。」


章太の手にはいつの間にか金槌が握られていた。清都はそれを見て全てを察した。
泣きながら頭を横へ振りながら、壁に張り付いた。


「やめでぇ....やめてくれって...本当に悪がったから!!けいざつに自首ずるがらぁ!!罪づぐなうがらぁ!!やめでぐれよぉぉぉ!!」


「清都君...君は....僕がやめてと...いっても...痛めつけるのを....やめなかったよね...そんな僕の気持ち....是非清都君に...体感してもらい....たいんだ...罪の償いは....それで充分だから...だから...楽しんでね.................朝まで」


清都の身体が縄で締め付けられたかのように、身動き取れなくなった。ズルズルと壁から滑り落ち、指の一本すら動かせず、章太は持っている金槌をチラつかせながら近付く。

だが、そこで清都は気付く。目と口だけは動くと。その意味にはすぐに察して、清都は絶望に包まれる。

動かない指一本を章太は掴み、地面に対して直角に立てると、金槌を大きく振りかざして、下ろした。


バキャ!


石階段で折れている指を潰す。しかも先から根元まで一気に。石階段での痛みとは比べ物にならない程の痛みが襲ってきた。