清都はボソッと呟き、歩をゆっくりと進めた。
お守りの存在を不覚にも完全に忘れ、清都は鳥居の外へと出てしまった。
鳥居前の石階段、一段降りようとした時、後頭部に鋭い痛みが走り、足が何かに引っかかった。
慌てて清都は手すりを掴もうとするが、その手を弾かれ、清都は横へゆっくりと回転しながらバランスを崩した。
そこで清都が見たもの、そして依奈達が清都を追いかけていると、清都の横へパッと現れた人物。
依奈は何故か足が止まってしまい、ボソッと呟いた。
「...章....ちゃん...」
綺麗な白い肌をした章太は清都の足を引っ掛け、手を弾いた。清都の目に映った章太は、維新を追い詰めた時のような満面の笑みだった。
清都の肩に激痛が起こった。痛みに顔を歪ませると、次は背中に激痛が走る。まるでタンスの角にぶつけられているような痛み。
次は視界いっぱいに石階段がある。その時、清都は階段を転げ落ちていると悟った。それと同時に、顔面に猛烈な痛み。
顔、首、肩、肘、背中、尻、太もも、踵。
全身が激痛に晒され、そして次第に激痛はマグマのような熱さへと変わっていく。
段数が他の階段とは桁違いの石階段。清都は痛みを受けながら、急速なスピードで転げ落ちていく。
そして終点、地面との衝突。スピードに乗った分、今まで以上の痛みと衝撃が清都を襲う。



