静華の祖母が部屋へ戻ってくると、清都は心臓を打ち付けられたような感覚になった。
「清都君?何かお兄さんが迎えに来たみたいだけど。」
「おい清都ぉ!いんだろ!?はよ出てこい!!」
清都の兄は玄関から大きな声で呼びかける。清都は嫌な予感が的中し、お椀で顔を隠した。静華は食事をしながら、ジト目で清都を睨んだ。
「何よ。あんたここのこと家族にも言ってたのね。」
「俺が言うわけねぇだろ。なんでここにいんの分かったんだよ...ってか何の用だよクソ....」
「言い訳はいいからさっさといって用件済ましなさいよ。迷惑なのよ。」
そう言われると、清都は嫌そうな表情しながら部屋を出て行った。依奈は少し心配になり、箸を止めて後を追っかけて行った。
「依奈、行かなくていいんじゃない?逆に邪魔になるでしょ。」
美苗が引き止めようとするが、依奈は何か引っかかり、その言葉を無視して部屋を出た。
すると、結局気になったのか部屋から全員出て玄関の方へと歩を進めた。
玄関には清都と同じく金髪で少しガラの悪そうな男が、額に血管を浮き出しながら清都の耳を引っ張っていた。
「おいこら清都。連絡なしにこんな時間までよく遊んでられたな?夕方以降用事がある時は連絡をするっていう家のルール忘れたんか?」



