怨返し─赦されない私の罪─



「ここで休んでて頂戴。私は今からおばあちゃんの手伝いしてくるから。あ、何か欲しいものあったら聞くけど、あるかしら?」


「し、静華。鳥居を抜けた時何か急に肩が軽くなったんだけど....あれってなに?」


「...鳥居は言わば結界の出入口みたいなものだから、取り憑いていたものが中に入れなかったからじゃない?
まぁ狭苦しいけど我慢しててね。時間は後、最高三十分ってところかしら?終わったら呼びに来るわ。」


そう言って静華は部屋を後にすると、部屋には沈黙と気まづさが漂った。それは清都が原因だった。それぞれ敵対していたのに、今は仲良く部屋にいるし、先程は清都は涙を流してでも助けを求めていた。


「....なぁ千澤...なんで俺を助けようとしてくれたんだ?俺はお前に酷いことしまくったってのに....」


先程の事で清都のプライドはズタボロ。依奈に生意気な態度を取る気分では無かった。
それに目を見開いて依奈は驚いたが、すぐに冷静な顔になって口を開いた。


「言わなかった?章ちゃんをあんたみたいなやつのせいで、これ以上手を汚させたくないの。
確かに私はあなたを殺したい程憎い。だけど、死なすのは違うと思った。死んですまそうなんてそんなの間違い。私だって死のうとした。
だけど、特にあんたと京吾には生きたまま罪を償って貰わなきゃいけない。」