怨返し─赦されない私の罪─


と言って他の三人を見ると、それぞれもそんな違和感を感じていた。そんな状況に困惑していると、静華が両手の人差し指を左右から身体の中心に向け、グルグルと回転させた。

「時間ないから早くして」というハンドシグナルに、状況整理ができず困惑しながら住居の玄関へ向かった。

内装も外装と変わらず、今の洋式のような建物ではなく、和式。昭和感を漂わせる住居だった。


「おばあちゃん!!メールで送った除霊したい人達ってこの人だから!」


静華は大きな声で奥の方へ呼びかけると、廊下の突き当たりの所からヒョコっと可愛らしい老婆が出てきた。


「あぁ...はいはい。でもちょっと待ってて?まだ準備に時間かかりそうだから。部屋で待っててね?
あっ、すいませんね....こんなボロい家で...」


「そんなのいいよおばあちゃん。私もこの子達を部屋に案内したら手伝うよ。」


老婆はニコッと笑顔を向けると、その場から立ち去った。


「じゃあ皆あがって。部屋に案内するわ」


静華はこちらの返答を聞かず、ずんずんと奥へ進んでいく。四人は慌てて靴を脱いで静華の後へと続いていくと、一室の和室へ移動された。
真ん中には茶色い机、座布団が用意されており、部屋の隅には掛け軸と鼻が添えられ、良い雰囲気を出している部屋だった。