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依奈の家から数十分、五人はある石階段前に着いた。首を上にあげると、何十段もある頂上には大きな鳥居が堂々と立っていた。
だが、年数が経っているのか元は赤だったであろうものが少し澄んでいた。
静華は石階段の真ん中にある鉄の手すりを持ちながらスイスイと登っていく。
四人もその後に続いて登るが、やはり少々キツく、呼吸を荒らげながら登りあげた。
頂上につき、鳥居の奥には小さいお寺とその横に住居が建てられていた。
住居も古びた感じで、静華はそこへ入っていった。
「はぁ.....はぁ...ひ、姫夜女学園って聞くもんだから、すんげぇ豪華な家かと思ったが...ボロっちぃな....」
清都は息を荒らしながらボソッという。確かにそれは何となく他の三人も想像していた。姫夜女学園は私立な上にお嬢様が集う学校のような印象、普通より古びた住居を見て少し驚いていた。
すると、静華は玄関からひょこっと顔を出して手招きした。
「はやくこい」と言っているのが顔の表情で理解出来た。
四人は言われるがままに鳥居を抜けると、依奈の肩がスっと軽くなった。まるで今にでも飛べそうな気がした。
「え?何?何か肩が凄い...」



