「清都...何があったの?」
依奈は優しいトーンで声をかけると、清都は下を向きながら答えた。
「昨日....章太をいじめていた橋下の更地にいたんだ。...そこで維新と会ってアイツと川の中で喧嘩してたら...章太が現れてよォ....維新を川の中に引きずり込んで殺したんだよ...
俺は必死に逃げて部屋に閉じこもってたんだがよ?寝ちまうとあいつが夢に出てきて何度も俺を殺すんだ...嫌な空気が部屋の中にずっとあって生きている気がしなかった....
章太を操ってんのはお前かと...だから来たんだが...そうかお前もなのか....もう...俺は死ぬしかねぇのかなぁ...ううう...」
依奈は何か声をかけようとするが、言葉が見つからなかった。
依奈が戸惑っていると、静華はドカドカと依奈の隣まで踏み込み、冷たい目で清都を見下す。
「依奈...本当にこの情けないドクズを助ける気?私があなたの立場だったら即効見捨てるけどね。」
静華の言葉を聞いた清都は、バッと顔を上げて目を光らせた。涙や鼻水で顔をグシャグシャにしながら、希望の火がついたような印象の表情。
「あ、あるのか!?助かる道が!教えてくれ!頼む!!!」
清都はそう言って勢いよく頭を再び下げた。静華は依奈へと目線を向け、「どうすんの?こいつ」と目で訴えかけた。



