だから!お願いだから章太に辞めるよう言ってくれ!俺は死にたく....死にたくねぇんだよォォォォ!!!」
全く分からない状況下だったが、章太というワードでその場にいた全員理解した。
清都は章太に襲われ、カラガラ逃げてここへ飛び込んできたのだと。
そこで静華は腕を組みながら清都の顔をじっくりと見つめ、見下しながら鼻で笑った。
「確かに章太君に取り憑かれているわね。まだ姿は表してないけど、ピッタリとくっ付いてる。会話から想像は付くけど、あんたが章太君を自殺にまで追い込んだ一人ね。
成程、典型的ないじめっ子のようね。他人にやっていたことをやられるとすぐに小さくなる。強者風に見せたい弱者ね。」
静華は嫌味ったらしく暴言を吐くが、清都はまるで応答しなく、依奈に向かって何度も謝罪していた。いつもなら真っ先に殴りかかってくる清都の姿に依奈は唖然としていた。
「お、落ち着いてよ清都。私に頼んでも意味ないよ。章ちゃんが襲ってきてるのは章ちゃん自身の意思で、私も襲われてるんだ。」
「へ?...本当か?それ....」
依奈は静かに頭を縦に振る。それを見て清都は口をポカーンとあけ、頭をガクッと力無く下げたかと思うと泣き始めた。
清都は希望を失った。依奈の指示で章太は動いていると思っていた。だが、実際は違い、章太を止める方法を完璧に見失ってしまったのだ。



