「...っていう話らしいんだ。そうだよね静華?」


「えぇ。現実離れしてる話でイマイチ頭に入ってこないとは思うけれど、この一件に関わるなら無理にでも入れてちょうだい。」


昨日、静華から聞かれた話を依奈は家のリビングにて呼び出した美苗と裕子に聞かせた。

二人は説明を聴きながらも、出されたお茶の入ったコップを持ちながらポカーンと口は開け、話がまともに入っているのかすら怪しい表情をしていた。

その理由は依奈は分かっていた。
美苗は何とか空いた口を塞ぎ、唾を飲み込むと再び口を開いた。


「あっ....いや、話は何となく分かったんだけどさ...
依奈、あんた....姫夜女学園の人と...そんな仲だったの?」


そう聞かれ、依奈は深い溜息を吐いた。
それもそのはず、四人テーブルで話す側と聞く側で対立して話しているのだが、依奈が真剣に話している途中、静華は依奈の肩に頭を預けて、スリスリと擦ってきていた。


「....あの静華さん?二人に勘違いされちゃうから辞めて欲しいんだけど...何で頭を私に預けてるの?」


「実は今朝寝違えてしまってね。首がズキズキして痛いのよ。丁度この向きでこの角度が楽だから、我慢してくれる?」


「擦る必要ないし、この手は何?」