維真がさっきまでいた所はぷくぷくと泡が下から浮いているだけだった。だが、それは次第に大きくなり、清都は怯えながら身構えた。
そして水中からは維真が必死の形相で這い出てきた。必死に息をしながら、腕で水面を叩き何かに抵抗していた。さっきまでの余裕は消え失せ、必死なのと同時に恐怖で顔が歪んでいた。
「ごぼ....ばはっ!!な、なんで!し、章太ぼぼぼぼ...ばっ!...はっ!な、なんでぇ!」
清都は目の前で何が起こっているのか分からず、目を点にして見ることしか出来なかった。
維真は上半身を必死に振りながら清都に救いの手を伸ばす。涙で顔をグシャグシャにし、助けて、と何回も連呼していた。
すると、維真の背後から白い手がぬっと出てきて、維真の頭を掴んだ。
そしてあの不気味な笑みを浮かべながら、章太は維真の背後から姿を現した。
「いっだょね?維真...ぐん。ぎみにはこごでょぐお世話に....なっだね?自分のはらいぜに僕を...」
「ぞ....それはっ!君も了承してた...っはずだろ!」
「ごとばではね?...心のぞこから思っでるわげないじゃん....だから...ごんどはぎみがやる番...だよ?えんびょしなぃで....ゆっくび楽しんでぃぃよぉ?」
「や、やだ!清都の方がもっと!原因じゃないが!...ぼぼぼぼ....ぎ、清都ぐん!ごめんなざい!許しで!だから...ごぼ....だすげ....ごぼぼ......」



