そこには一人の人物がポツンと立っていた。薄暗くても分かるほどの肌白さ、その殺意、清都にはすぐに分かった。


「ゃあ〜。ぎよどくぅ〜ん。」



「あ....ああ、お、おおおお前...」


清都の視線の先には死んだはずの章太が立っていた。全身はペンキにかけられたといっても不思議じゃない程の白さで覆われ、まるで人形のようだった。首には赤い線のような跡がある。


「ぅん...やっばりす、すす、少し....ぅん。また少し...しゃべびやずくなったよぉ...
来希ぐんのどきは、口がらあば出してたし、首吊りのあどだっで...あがぐなってる。」


清都は足をガタガタ震わせていた。元々話を聞くだけでビクビクしてしまう程だった、腰が抜けそうになりながらも立っていられたのは奇跡に近かった。


「な、なんで....なんでお前がいんだよ!
なんなんだよお前!」


「はははっ、いい加減認めなよ清都君。章太は君を殺すためにこの世に存在する亡霊、天があんたらを殺すために送り込まれた使者さ。」


「てめぇは黙ってろ!!うっせぇんだよてめぇはよ!!」



「そんなに吠えるのも今日で最後だね。なんだか寂しくなるね?くくく...さぁ章太ぁ!今までの恨み全部晴らしちゃいなよ!!」


維真がそう言うと、章太は動き出した。一歩、一歩とゆっくりと清都に向かって歩を進める。