「うん....」
静華が依奈の目を睨み付けること数十秒、静華はため息を吐いた。
「ふぅ...どうやら思ってた通りね。」
「え?どういうこと?」
「私はね、今回ほどじゃないけど黒いオーラをいっぱい見てきた。その殆どが事故やら病気、幽霊に悩まされることになった。
私は助けようなんて気持ちはこれっぽっちもない。黒いオーラに取り憑かれる人はそれ相応のことをしてる。もし、そんな事してなくて、心霊スポットやらたまたま取り憑かれたならもうちょっと違う感じで見えるの。
そんな人たちには陰ながら出来るだけのことはするわ。
あなたのオーラを見た時は驚いたわ。何もされてないのに、憎しみさえ沸き起こった。一体どんな悪女なのかなって。だけど、あなたの涙、あれは本物だった。私はそれが気になってしょうがなかった。」
「そうだったんだ...」
静華は足を組み、依奈を見て微笑んだ。とても穏やかでさっきの気味悪さは消え失せていた。
「だから、私はあなたを助けたいと思ってるの。確かに章太君を見捨ててしまったのは良くないことだけれども、あなたには救われて欲しい。協力してもいいかしら?」
「ぜ、是非!お願いします!」
依奈は深々と頭を下げた。感謝で心がいっぱいだった。だが、依奈は自分自身に対して疑問を抱いていた。



