「さて、あなたは私にいくつか質問があるんじゃないの?千澤 依奈さん。」
「!な、なんで私の名前知ってるんですか!?ま、まさか...」
「安心して。確かにあなたの顔、性格は私好みだしレベルは高い。だけどストーカーなんて行為は基本的にしないようにしてるわ。」
この人...一言多くて気味が悪い...
「私の家系ってお坊さんなの。寺育ちよ。
そのせいか、私は生まれてから霊感が凄く強くて、霊はオーラみたいなモヤモヤな感じで見えるの。その色や印象でどういう類の霊か、私には分かるの。」
「じ、じゃあ...あの時から....」
「そうよ。あなたとぶつかった時、あなたにはとてつもなくどす黒くて大きいオーラを抱えてたの。
それで私の目に止まったし、あなたの制服を見れば学校も分かる。しかも時期的にテレビではその学校は自殺者が出た。
その家の近辺の人に色々尋ねれば、次第にあなたの名前や住所も分かる。あなたが私に気が付かない程泣いてたもの、自殺者とは絶対にいい仲だったでしょう。」
普通ならストーカー行為のようなもの、気味が悪いとしか思えないが、依奈にとっては心からホッと出来る話だった。
自分の苦しみの理解者が出来ただけで、心から救われた。美苗には打ち明けたものの、心の隅では信じられないと思われていると思っていたからだ。



