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佳川 章太と千澤 依奈は同じ高校だったがクラスは違った。タダでさえ生徒の人数が多い学校なので仕方がない結果。
それに依奈は部活に入ったが、章太は入らなかった。それもあり、一緒に帰るというのもあまり出来ていなかった。
だが、二年にあがると科によって別れるため、依奈と章太は同じ科にする事にした。
その作戦は上手くいき、二人は同じクラス。依奈は大いに喜んだ。あの日までは...
一ヶ月半前、久しぶりに部活が休みになり、章太と一緒に帰ろうと話し掛けた。
「ねぇ章ちゃん。私、今日部活休みだから一緒に帰ろ。」
「ご、ごめん...用事で学校に残んないといけないから...本当にごめん。」
「だ、大丈夫だって。また今度一緒に帰ろ。」
そう言うと章太はさっさと次の授業教室へと向かった。二年にあがってからというもの、章太が少し自分の事を避けているように感じた依奈は不安になった。
章ちゃん...どうしたんだろ...私と一緒にいたくないの?
依奈は放課後、章太ときっちり話をするため、章太に内緒で学校に残っていた。章太が何の用で残っているのか聞いていなかったため、校内をグルグル見回ったが姿が見えない。
もしやと思い、下駄箱を見ると上履きがあった。依奈は残念で悲しい気持ちになった。
章ちゃん...やっぱり私の事避けてるんだ....



