「は?おい清都....てめぇなんつった?」


清都の言葉で凍りついた空気の中、最初に口を開いたのは竜だった。と言っても竜自身、頭の整理が出来た状態での質問ではなかった。
頭が真っ白で、口からポロッと出た言葉。

清都は涙と鼻水で顔をグシャグシャにし、嗚咽をしながらも口を開く。


「来希が....来希がぁ...し、死んじまったんです....昨日の夕方に...」


竜は清都近付き、胸ぐらを掴んで無理矢理清都を立たせた。さっき以上に眉間も目付きも鋭くして睨み付けた。


「おい、冗談だったら許さねぇぞ。俺はこういう胸糞悪くなる冗談が一番嫌いなんだよ。えぇ?どうなんだ?」


そう言ったものの、竜自身悪い冗談であることを心の中で願っていた。
先程まで心配し、寧ろ今後どうなっていくのかと先の話をしていた人物が亡くなった。これ程の皮肉を竜は認めたくなかった。

たが、竜の期待とは裏腹に清都は弱々しい表情を浮かばせた。


「俺が....俺が京吾や竜さんみたいな人にこんな冗談言うと思いますか?...本当なんです....来希は...」


「どうして死んだ!?事故か!?殺人か?殺人なら犯人教えろや!地の果てまで追い詰めてぶっ殺す!!」


竜は清都に怒りに任せて吠え散らかすが、清都は身体を震わせながらも頭を横に振った。