私は、椅子の方に目を向けると
さっき、体育館で見かけた背の高い女の子がいた。
前の席だったけど、いいか!と思いその子の隣に座った。
私の前に立っている女性の先生が、ニコッと笑ったので
私もニコッと笑い返した。
私が周りを見ていたら、その女性の先生が声を掛けてくれた

「お名前は何て言うの?」
「私は、高嶋瑠美って言います」
「貴女は、何て言うお名前?」
その女性の先生は私の隣の女の子に問いかけた。
「私ですか?
私は、伊橙陽香です」
「あらー、二人とも良い名前だわ」
その子と私は、"ありがとうございます"とお礼を言った。
そして、その先生から、また質問をされた。
「二人はどこの中学校?」
「えーと、武尾中学校です」
「私は、上東中学校です」
私とその子は出身校を答えた。
「あら、そうなのね。」
私と隣の子と先生は話続け、そろそろ式が始まるため
女性の先生は行ってしまった。

「なんか、緊張するね」
「そうですね」
「ねぇ、敬語使わなくていいよ?」
「え、あ、でも……」
その子は戸惑っていたが、私がお願い!とキラキラした目で言ったので、陽香は分かった…と苦笑いしながらも承諾してくれた。