「ハッキングなんて知りたいのね」 アハ、と笑うと彼はそっぽを向きながら話し始めた。 「白牙は、強い奴の集まりだ」 ポツポツと、言葉を紡いでいく。 「雑魚はいねえし、喧嘩の隙は無い。俺は…みんなの役に少しでも」 そう言っている甲斐の顔は真っ直ぐで凛々しくて、素直だった。 「白牙が、大好きなんだね」 私は目を伏せながら言うと、甲斐の顔は曇っていく。 「柚花はちげえのかよ?」 「え?」 「俺らのこと」