…本物だ、と思った。
花 の世界に入りかけ、他人の情報収集のように聞いても他人に漏らす気がなくなる圧がある。
でもそんなの悟られるわけにはいかない。
「あんたらモデルでもやったら?」
それは半分本心であるほどみんな顔が整っていて。
「やめろよそんな冗談」
ケッと笑う陸でさえ圧倒された。
1つ溜息を吐くと彼らと目を合わせて、その場で眼に変える。空気が変わったのを感じた。
「滝留柚花。通り名は花」
自己紹介を終えると瑠衣と甲斐から殺気を感じる。
これはわかる。
……挨拶、だね。
負けじと睨むと本人達はにっこりと笑った。

