初めてちゃんとみるそいつに、先ほどの相田の発言が理解できる。 綺麗に揺れる茶髪。 スッと通った鼻。 くりっとした目は綺麗な二重。 「おい」 その瞳は今、目の前の私を冷たく睨んでる。 「上枳」 それは間違いなく、強い男だったから。 「お前が花か」 気がついたら相田なんかもうすっかり消えていた。 「強いんだな」 フッと儚く笑い、手を差し出す。 私はその手を取り、立ち上がった。 「上枳遥都(はると)」