出来れば苦しいから喋らせないでほしい。 けれどそんな心の声は届くはずもなく、喉のあたりで止まった。 「てめぇ、いつから上枳(じょうき)と知り合いだ?」 「ンなもん…しらねぇよ…」 相田の声に顔を歪めながら答える。 上枳。この世界で生きてるからそれくらいは分かる。 だからといってその人が今どうして話題に出ているのかまでは頭が回らない。 相田の舌打ちに、いつ意識を手放せば良いのかと、無意識に そいつ を睨んだ。