子どもが生まれる頃には、少女の花は膝まできていた。

2人は誰にも伝えずに子どもを産んだ。

元気な男の子だった。

健、と名付けられたその子を見て、母になった少女は泣いた。

堰を切ったように涙が溢れて、溢れて。

-ああ、私は幸せ者だった

2人の愛しい人を眺める。

-もう、大丈夫。彼には健がいるし、健には彼がいる。そして、私は一生分の思い出を生きた