店員「いらっしゃいませ。東條様」




私「え!?」




慣れたような顔で
入っていく優哉君



そうか。大変失礼致しました。

君はtojyoグループの御曹司

もはや高級ショップは行きつけってことね。





優「好きなの選べ」



指輪の前で止まる優哉君



私「指輪?」



優「一応な。」



婚約指輪ってこと?!


キラキラ輝く宝石たちが


ピカピカに磨かれたショーケースの中に

大事にしまわれている。



うーんどれも綺麗だな…

きっととてつもない値段なんだろうな。




私のために…

なんか悪いな

好きでもない相手なのに。





店員「これなんかいかがですか?」



店員さんが持ってきてくれたのは
大きなダイヤが付いたもの。



私はもっとシンプルなのがいいな…。


でもせっかく勧めてもらったんだし、

それにすべきかな…。



まるで初めてのおつかい状態の私。

たくさんの人の視線を感じながら買い物なんてしたことがない。