あなたの心の片隅に。



京「気に入ったの着てみれば?」



私「う、うん」





試着室の前に立つと

大きな鏡にひどい顔の私が写った




(…こんな顔で京輔君の隣歩いてたんだ。)



私にドレスなんてまさに猿に烏帽子。




京「ん?どした?」



やっぱり住む世界が違う。


生きてきた世界が私とかけ離れてる。




さっきまでこの綺麗なドレスに

身を包むのを楽しみにしていた前向きな自分は

一瞬でいなくなってしまった




私「す、すみません。」



京「はい。これ」



渡された真っ赤なドレス



閉められた扉。




広々とした試着室には指紋ひとつない鏡が全方位にあり

箱の中に入った私の姿をとても惨めに演出した




扉の外では何人かの店員と京輔君が

着替え終わった私を待っててくれてるのだろう



消えたいほど自分の存在が恥ずかしい



そんな時ハイヒールの音が遠のいていくのを感じた