「あれ?塚田部長?」 「なんで海外事業部の塚田部長がここに?」 「確か帰国は明日じゃなかったか?」 同僚たちも疑問に思ったのか、次々とそんな言葉が聞こえてくる。 スーツケースを引きずりながら、私の目の前でその人物は立ち止まった。 なにか言わないと、と思うのに、なにも言葉が出てこない。 ただドキドキと胸が高鳴り、まるで夢でも見ているかのように足元がフワフワ浮いているような感覚。 ぽかんと口を開けて見上げている私を見て、部長は一瞬フッと笑ったけれど、すぐに表情を固くした。