略奪"純"愛 『泣かすなら俺がもらう』


「何?」

「桜がさ、海翔がいなくなった時にはピンク
だったのに、今は綺麗な若葉色っていうか、
新緑に染まってて、ああ、1ヶ月経つん
だなぁ…と思ってさ。」

結がしみじみと言った。

「ああ、そうだな。」

俺もボソッと相槌を打つ。

「人の気持ちも変わっちゃったりするのかな?」

「お前はどうなんだよ?」

「私?」

「1ヶ月で変わったのか?」

「変わるわけないじゃん。」

ほんとに?
全然、変わらないのか?

「じゃあ、大丈夫なんじゃないか?」

「そうかな?
………でも、やっぱり同じじゃないよ。」

「何が?」

「慣れた。」

「何に?」

「海翔がいない事に。」