略奪"純"愛 『泣かすなら俺がもらう』

「なんですか、それ?」

「知らない?
左手の薬指につけるキラキラの輪っか。」

「ぷっ」

みんなが一斉に吹き出した。

「確かに、虫除けしてても寄って来る虫も
いるけど、ないよりはマシだな。
でも、虫除け効果は、キラキラが無い方が
強いぞ。」

と中橋さんは自分の左手の結婚指輪を見せた。

「それは、私じゃなくて、本人に言って
ください。
私がおねだりするものじゃないでしょ?」

「すればいいじゃん。
あいつのプロポーズなんて待ってたら、
いつになるか分かんないぞ?」

するなよ。

結にプロポーズするのは、俺だ。

もう少し、待ってろよ。