「そりゃ、天なら、嫌われても別に平気だし?」

「ぷっ
お前、失礼だな!」

「だって、事実だし。」

つまり、結は嫌われたくなくて、言いたい事言わずに我慢してるって事か。

そんな素を見せられない関係なんて、本物じゃないだろ。

「ま、いいや。
じゃ、週末、暇なら、付き合え。」

「は? どこに?」

「コアラ。」

「え?」

「昨日は、パンダはいたけど、コアラは
いなかっただろ?
今度はコアラ、見に行く。」

「ぷっ
ふふふっ
どんだけ動物好きなの!?
ふふっふふふっ」

「いいじゃん。
大阪、行かなかったら…でいいから。
ってか、お前、笑いすぎ!!」

「これが笑わずにいられる? 無理でしょ?
ふふふっ」

「じゃあ、いいよ。
1人で行くから。」

「別に行かない…とは言ってないでしょ?
可哀想な独り者の天に付き合ってあげるよ。
ふふふっ」

「ふんっ」

俺は拗ねて見せたが、内心小躍りしたい程、舞い上がっていた。

仲直りしたんだろ?

破局しないんだろ?

その状況で他の男と普通、出掛けるか?

今週こそ!って、普通は、もう一度大阪に行くんじゃないのか?

少なくとも、昨日のパンダは、もう一度出掛けてもいいと思える程度には楽しんでくれたって事だよな?