「ぅわははっ」

突然、お父さんが笑った。

「結、この人には、素の自分を見せてるんだな?
天くんは、そんな結でもいいって言って
くれてるんだな?」

「はい。」

俺は答えた。

「だったら、何も言う事はないよ。
お前たちの好きにしなさい。」

そこには、来た時とは全く違う笑顔のお父さんがいた。


その時、お父さんの笑い声に驚いたのか、絆が泣き始めた。

俺の隣で、結が咄嗟に駆け寄ろうとしたが、お姉さんを見て、思い留まっていた。

俺はがそんな結の手をきゅっと握った。


絆がお姉さんの腕の中で力いっぱい泣いている。

重ねた手から、結の葛藤が伝わる気がした。