だけど、今日はきちんと言うって決めてきたから…

「突然、お邪魔してすみません。
会って早々にお願いする事ではないのかも
しれませんが………

結さんと結婚させてください。」

俺は立ったまま、頭を下げた。

お父さんは驚いて顔を上げる。

挨拶をしたいとは伝えていたが、まさか、結婚の挨拶だとは思っていなかったようだ。

「結?
お前、ここにいる間、特に誰とも連絡を
取っているようには見えなかったけど、
内緒で付き合ってたのか?」

「ううん。
3日前に10ヶ月ぶりに再会したんだよ。
だけど、私は、天がいいの。
だから、お父さん、お願い!」

結も俺の隣で頭を下げた。

「天くん?
結は勝気な娘ですよ?」

「はい、分かってます。」

「きっと、苦労しますよ?」

「はい、分かってます。」

「ちょっと、天!
そこは、『大丈夫です』とか『そんな事
ありません』とか否定するところでしょ!?」

結は抗議するけど、

「結と俺が一緒にいて、喧嘩しないわけない
だろ?
でも、俺は100回喧嘩したら100回仲直り
する自信がある。
俺は、結と仲直りする苦労なら、いくらでも
する。
それとも、結は、この先、俺と穏やかに平和に
一度も喧嘩する事なく過ごせるとでも
思ってる?」

と言ってやった。