「昨日、大阪、行ったんだろ?
どうなった?」

「別に。
ありがとうって、喜んでくれて、土曜日に
病院に行こうって言ってくれたよ。
私の両親にも挨拶に行くって。」

「で? お前はそれでいいのか?」

「うん。当たり前じゃない。」

「それで後悔しないのか?」

「しないよ。」

「じゃあ、なんで朝からそんな泣きそうな顔
してる?」

結は何も言わなかった。

唇を真一文字に引き結んで、黙っていた。

「結?」

名前を呼んだ瞬間、結の目から涙が溢れ出した。