「海翔だよ。

私が好きなのは、海翔。

天じゃない。」

結は、俺の目を真っ直ぐ見て言った。

「嘘だ。
結が好きなのは、俺だ。
結、自分に嘘を吐くなよ。」

「嘘じゃない。
天は友達。
今までも、これからも。」

「結!!」

「お願い。
もう帰って。
今から、海翔に連絡するの。
明日、大阪に行ってくるから。」

俺は、渋々立ち上がった。

「今日は帰る。
でも、諦めたわけじゃないから。
俺、バスケは諦めたけど、結は諦めるつもり
ないから。
また連絡する。」

そう言って、俺は結の部屋を後にした。


結、どうしたらお前を救える?

結、どうしたら、お前を取り戻せる?

絶対に俺たちは、通じ合ってたはずなんだ。

じゃなきゃ、妊娠してあんなに泣くわけない。



なんで今、妊娠させるんだよ。

避妊ぐらい、ちゃんとしろよ。

そんなやり方で結を繋ぎ止めるなんて、卑怯だろ。


俺は、こんな事じゃ、諦めない。

絶対に諦めない。