「座っとけ、何があった?」

「……………」



言えるわけない
誰にも言えないよ

私は唇を噛み締めながら俯いた
充に言ったら隆也にもバレる



「優さん私と少し話してもらえますか?
充、向こうに行ってて」


充は一瞬迷っていたが、別の部屋に入っていった
部屋に入ったのを見届けて、莉奈さんは話始めた


「私、優さんの事知ってます
充がずっと忘れられなかったみたいでした
知っていて充を好きになりました
ずっと想像してました、どんな人なんだろうって
実は先に充から連絡もらってて正直不安でした
充からも元カノを連れて帰るって言ってたから
でも、さっき優さんを見て一瞬でそんな不安も消されました」

「え?」

「だって、優さんが充を見る目が戸惑いしかなかったから
何か、あったんですよね?
そんなときに元カレに会ったら普通ならすがりたくてあわよくばなんて思うじゃないですか
でも、充は私のところに優さんを連れてきてくれた
私が不安になるのはわかってたはずなのに
優さんは私が付き合っているって言ったら帰ろうとしましたよね
充はただ優さんが心配で、優さんは私に申し訳なく思っていた
そんな二人に嫉妬する気も起きません
だから、何がありました?
充には言えないなら私に言えませんか?
たまたま出会った赤の他人だと思って言えませんか?」


どうしてみんなこんなにも優しいのだろう
私なんかに…………


すがりたい
助けて欲しい


この1ヶ月何度も思った
人の優しさを感じる度に何度も
"助けて!"