「優に言うの迷ったんだけど」


お酒も進んで来たころ隆也が切り出した


「充のこと……」

「え?」

「あいつ、後悔してたよ
初めての相手が優なんて贅沢過ぎたなんて言ってたこともあったな」

「なに?急に」

「お前、めちゃくちゃいい女だからな
まぁ、俺は美幸しか無理だけど
充はお前との"距離"より"差"を感じたんだよ」

「差?」

「お前さ、高校時代からめちゃくちゃモテたからな
充はいいヤツだし、親友の俺が勧めた」


美幸が言ってたの本当だったんだ?
隆也と美幸が厳選してくれたんだ?
そりゃ、いい男なはずだ

「でもさ、大学になると将来のことになるだろ?
あいつ、大学も会社もお前より上にはいけないって
劣等感を感じたんだよ
今ならさ、アイツもこの歳で主任やって会社でも一目置かれてさ
例え、お前の方がいい会社だとしても自分の仕事に誇りを持ってるよ
若すぎたってより、ガキだったんだよな俺たち
お前が自分よりいい大学行って、いい会社に入ることを認めるほどの器量が無かったんだよ」

「そんな………」

「お前にちゃんと男が出来た時に言おうと思ってた
充以外の男もそうなんじゃね?
お前さ、男に大学とか企業名言ったりした?」

「どうだったかな?覚えてないけど知らないことは無いんじゃないかな?友達伝いで聞いたりもしたかも」


自分から言うことはないけど、聞かれたら答える程度