心配そうな顔に申し訳なくなってくる
経験値の差を思い知らされる
こんなに何度も意識を飛ばしちゃうなんて情けない


「すみません、大丈夫です」


そう言うと、ホッとした顔をして私をぎゅっと抱き締めた
苦しいほどに強く
その瞬間、いつも愛しさと同時に胸に痛みが走る


私たちはいつも、お互いの顔色を窺っている
いつかまた、
捨てられるのではないか?
振られるのではないか?と


捨てられた彼も
振られ続けた私も
私たちはずっと傷の舐めあい


「優………好きだ、愛してる」


彼は何度もそう言ってくれる
苦しい程の愛を与えてくれる


「私も……」


そう言って、抱き締めるのが精一杯
ちゃんと言葉にして伝えたいのに
今までの彼氏には「好き」なんて簡単に言っていたのに

お互いに想いを伝えあっていたのに
どうしても、誠さんには言えない

理由なんて簡単
良いのか悪いのかはわからないけど
私はもう、誠さんにどっぷり嵌まってしまっているのだ

簡単に言葉に出来ないほどに
言葉にすれば溢れてしまう



「可愛い………たまんねぇ」


ぎゅっと心臓を鷲掴みにされる
彼にそう言ってもらえるほどの女ではないことは重々わかっている

錯覚させられる
永遠を………




罪な男


こんなに好きにさせて