言い過ぎたかも知れない
でも、これで行動しないなら本当に………

私は何も言わない隆也に背中を向けた
ヘタレ!



頑張れ!



「「優………」」

「あ…………ふふ、おめでとう」


次の日、駅の改札を出たら二人が手を繋いで私の前に現れた
少し顔を赤らめた美幸と、気まずそうにしている隆也


「優………ありがとな」


あぁ、やっと
これで本当に解放

それはそれで寂しいなんて………




そう思っていた私を殴ってやりたい


私はチラッと隣に座る男を見た
はぁーっとわざとらしく溜め息を吐くが気にもしない
解放された、なんて…………バカだった


「キスって付き合ってどれくらいでしていいんだ?」


何時ものように私を引き摺るように連れ去ったら開口一番言われた
知るか!自分で考えろ!

まぁ、意外や意外
付き合ったら箍が外れて襲うんじゃなんて思っていた私は少しだけ隆也を見直した


それから、一ヶ月
「キスしてぇ」と片思いの時と同じ台詞を呟きながら頭を抱えている姿はもう恒例になりつつあった

まだ、キス出来てないらしい
クリスマスも二人で過ごしたのに?
次の日には美幸の左手薬指には指輪が煌めいていたのに?

そんな隆也に呆れながらも大事にしてるのはわかるから笑みが溢れる
なんだかんだと、甘いな私も


「隆也がしたいときにしたら良いんじゃない?
嫌われたりはしないから………」


そう言うとキラキラと瞳を輝かせた


そして、一年後


「セックスってどうしたら良い?」


さすがに、頭を叩いてやった!
アホか!


ヘタレ男は何時まで経ってもヘタレだ