「まぁ、女とホテルには行ってたからな
ホテルに行って、ヤらねぇなんて普通、思わないだろ?
そんな姿、会社の奴にも何回も見られてるだろうし
会社の前で待たれたこともあったし
俺もなりふり構わずだったから
噂を否定するのも面倒だったしな」


なまじ信じられない話ではあるが、こんな話を嘘にすることの方が信じられない

それなら、何かの病気なのだろうか?


「身体は大丈夫なんですか?」

「え?」

「どこか病気とか……」

「ははっ、ほんとお前は………
身体はどうってことない、まぁ、5年間もセックスしてなかったからわかんねぇけど
ただ、わかってたのは精神的苦痛だと思う
女を見ると前の女の姿がチラついてな」

「別れた彼女さんですか?」

「あぁ、別れるまで知らなかったんだけど………
旦那がいたんだ」

「え?」

「3年も付き合ってて知らなかったんだ
バカだよな?」


酷い
3年間も、旦那さんと彼を騙していたなんて



「しかも、俺、プロポーズ紛いの事言ってな
その時に旦那がいることと、俺とは遊びだって言われた」

「……っっ!」


そんなっ!
あまりに誠意がない

同じ女性として許せない

その時の彼の気持ちを考えると胸が締め付けられる
きっと彼は彼女のこと本当に好きだったはずだ
そのあとも、彼女の残像に悩まされるくらいには