「…………っっ、俺、何もわかってなかった
優に言われるまで美幸の苦しみも、辛さも………
誠さんに言われて優の想いも………」

「そうだな、お前、たぶん優が間に入ってくれたからちょっと緩んだだろ
ちょいちょいお前が出す美幸ちゃん好き好きオーラに優の可愛い顔が歪んでたぞ」


あまりの隆也の落ち込みに俺は少し砕けて言えば隆也は少しだけ口元を緩めた


「誠さんもさりげなく可愛いとか言ってるじゃないですか」

「俺はいいの、」

「…………そうですね、ほんと、俺、ダメだな」


えらく弱気な隆也
それもこれも全て美幸ちゃんだ


ピコンとお互いの携帯がメッセージを受信した
それは優で、内容はたぶんほぼ、一緒だろう

"美幸に会うだけでも、伝えました
美幸がしぶしぶですが了承してくれました
今から美幸連れて行きます"


隆也にはもう少し砕けた言い方なんだろう
隆也はホッとしたのか漸く肩の力を抜いた


「隆也………暴走すんなよ」

「あー、はい」


なんだよその返事
いかにも、"いちお気を付けます"みたいな………

たぶん、今俺が言わなかったらこいつ………
頼むからこれ以上優を怒らすなよ


「でも、俺…………三週間ぶりだから………」

「いやいや、お前、今振られてるんだからな
マジで、気を付けろよ
優、怒らせたらマジやばい気するぞ」


その言葉でやっと我に返っていた