「誠さんも、ホテルはダメだって
私が美幸の傍にいるようにだって
だから、うちに行こう?詳しい話は家で聞かせて?」



美幸は「ありがとう」と弱々しい声で言った
こんな美幸の姿は見たことがない
隆也…………絶対許さないんだから!


"隆也に会う事になった
あいつの家に行って今日は泊まってくる
ちゃんと戸締まりするようにな
誰か来ても開けるなよ"


家に帰って来てから届いたメッセージ
過保護な内容に笑いそうになるけど、それはもしかしたら誠さんの優しさかも知れない

誠さんに任せよう
でも、内容によっては………私だって


「美幸………誠さん今日仕事かなり遅くなるみたい
最近遅くて、たまに会社で泊まることもあるからもしかしたら今日も………
だから気にせず飲もう?ね?」

「うん」


美幸は少しだけ笑った
少しでも癒されて欲しい


「美幸…………もう一度聞くね…………
本気なの?」

「うん、」


美幸は言いたいことは言うから感情的な部分が前面に出るけど、私たち3人の中でも一番冷静だ
だから、一度言い出すと殆ど覆ることもない
きっちり考えて結論に至るからだ

でも、今回は…………


「本当に別れるの?婚約解消するの?」

「うん」


そう、金曜日はノー残業デーと知っている美幸から誘いがあったのは終業間近だった
誠さんにも連絡して、悟さんの店に連絡しといたと言われてしまい二人でやって来た