「優………大丈夫?会える?」

「はい」


そんなに心配そうにしなくても大丈夫なのに
人と会うだけで…………


あ、もしかして、


「ま、誠さん…………あ、」


病室に入ってきた姿に息が止まるかと思った
誠さんが心配そうにしていたから、まさかとは思っていたけど………


あの日からどれだけの月日が経っただろう
久しぶりに見た彼女は少しだけ痩せていた


身体が震えて涙が止まらない
怖いから?
辛いから?

違う………


「みの、り、さん………」


会いたかった
会ってちゃんと謝りたかった


「ごめん、なさい」

「どうして!どうしてあんたが謝るの!
偽善者ぶらないで!私はだから、あんたが!」


そうやって、ぶつけて欲しかった
みのりさんの怒り……

でも、私にはぶつけられなかったんだ
私が情けないから
私が弱いから


みのりさんが、ここに来るのはどれだけの勇気がいっただろう
誠さんや社長にも知られたってことだ

私は今でもみのりさんの優しさに包まれている
卑下される、怒りを向けられる覚悟で来てくれたんだ

きっと、今日までの間、不安だったかもしれないのに


「来てくれて、ありがとう、ございます」


流れる涙は止めることができない
でも、弱い私はこの事実に向き合わないといけない


みのりさんが、好きだから
誠さんを愛してるから