「階段から、押したのか?」

「えぇ、誠たちから守られてるあの子が憎かったわ
私に笑顔向けるあの子が………
私を見るあの子の顔はおもしろかったわよ」

「誠、被害届出そう」

「好きにすればいいわ、私の罪なんて知れてるわ
それでも私はあの子には一生の傷を負わせれたんだもの………
誠、あなたが私を裏切ったからよ
部長になって、私とって思ってたのに
いきなり一緒に住みだすからよ
社長秘書に誠の婚約者だなんて!社長にまで気に入られてて!恵まれ過ぎなのよ!」


確かに、初犯で情状酌量の余地があれば罪なんて軽いかもしれない
優が負った傷の方が遥かに大きい


「優は体に傷を負ってもお前のことは言わなかった
俺や親友が言ってくれと頼んでも言ってくれなかった
今思えばお前だからだよな?
姉のように慕ってたお前のこと言えないよな」

「言えば良かったのよ!そんなのただの良い子ぶってるだけじゃない!」

「違うよ、そんなに強くない
優は俺達に言ってしまうとその事実を自分が受け入れないといけなかったからだよ」

「は?」

「お前にはそんなでも、優はお前のこと好きだったからな
そんなお前から向けられる嫌悪を受け止められないんだよ
信じたくなかったんだろ
あいつ、あんなだけど弱いから」


俺は決断した
それが良い事かはわからない
良くない事が起きるかもしれない
でも…………


「みのり、優と会って」