シャワーの音にかきけされたが、自分の声はちゃんと耳に届いた

間違いない
ちゃんと、覚えてる
彼は私を抱いた

それはそれは何度も何度も
飢えた狼の様に
堕ちるように二人で果てて意識を手放した


抱けないってどう言うこと?
私は騙されたのだろうか?
でも、その方が都合が良い
言葉通りのワンナイトラブ


きっと、課長も私から逃げるのだから
それなら初めからワンナイトラブだと割りきっているほうが良い


私はシャワーから出て、キッチンで朝食を作り始めた
今日は日曜日

忙しい課長もさすがに日曜は休みだと言っていた
いつ起きてくるかはわからないけどきっとお腹を空かしているだろう

"腹が減っては戦は出来ぬ"とはよく言ったものだ
話をするにしても、腹ごしらえは必要だ


そんな事を考えながら朝食を作って
あとスープを作って課長を起こすかどうしようかと悩んでいたら
ドタドタと地震が起きたのかと思うほどの音と共に課長が起きてきた


驚いた私を見て課長はホッとしたのか一息吐いて「いた」と呟いた

いますとも!
ここ、私の家ですからね!



「シャワー浴びますか?新しい下着と服置いてますので」

「あ、あぁ」


浴室の場所を伝えてまた、スープを作り始める

浴室から聞こえるシャワーの音に何故だか胸の高鳴りを抑えることが出来なかった