銀のトロフィーを手にした俺様は、嬉しそうな、それでいて少し悲しそうな顔で笑っていた。
私達は、俺様男及び出場していた生徒たちに惜しみない拍手を送った。
*
午後4時すぎ。
大会も無事に終わり、続々と他の学校の生徒たちが帰り支度をしている。
無論、私たちも帰ろうとしているのだが……
チラッと俺様男の方を見る。
席に座ったままトロフィーをぼんやりと見つめ、その場から全く動こうとしない。
「志乃ちゃん」
名前を呼ばれて振り向くと、ふんわりと微笑む葉月先輩がいた。
「一護のこと、お願いするね」
「え……」
パチンとウインクをするその仕草はとてもきれいで映画のワンシーンを見てるようだった。
「今日はここで解散だよ。皆、気を付けて帰るんだよ。一護は僕が見ておくから心配しないでいいからね」
葉月先輩の一言で、俺様男のことをきにかけていた部員の皆もホッとしたようだった。

